ぽんぽんぽっぷこーん かみしばい2019.07.29ある所に、貧乏な女の子とお母さんが住んでいました。ある日のこと、家にはもう食べるものが何もなくなってしまいました。 女の子はおかあさんに頼まれ、森へ食べ物を探しにいきました。 すると、おばあさんが現れて言いました。 「おや、こんな森に1人で来るなんてどうしたんだい?」女の子は言います。「食べるものが何もないので探しにきました」「おや、小さいのに感心だねえ。じゃあ、お前さんにいいものをあげよう」そう言っておばあさんは、女の子にふるぼけたおなべをくれました。 それは、とても不思議なお鍋でした。 お鍋にむかって 「ぽんぽんぽっぷこーん」と唱えると、アツアツのぽっぷこーんがどんどん出てきて、「もういらない」と唱えると、ポップコーンは止まります。おかげで、お母さんと女の子がお腹が空いて困ることはなくなりました。 ある日、女の子が出かけた後で、お母さんはポップコーンが食べたくなりました。 そこで女の子の真似をして、「ぽんぽんぽっぷこーん」と唱えました。すると、あっという間におナベはポップコーンでいっぱい。 しかし、お母さんはお鍋の止め方を知りません。 ポップコーンはどんどん出来あがり、お鍋からこぼれだしました。やがてポップコーンは台所から溢れ、家中をポップコーンだらけにしてしまいました。それでも ポップコーンはとまりません。 とうとう 町中がポップコーンだらけになり、町の人たちも大量のポップコーンに驚いています。困り果てたお母さんがとっさに「もういらない!」と叫ぶと、ポップコーンは止まりました。町の人たちは、町じゅうにあふれているポップコーンを少しずつ食べながら、自分の家へ帰りました。やがて、何も知らない女の子が帰ってきて「ポップコーンを食べよう!」とお母さんに言いましたが、お母さんは「もういらない!」と慌てて家を飛び出していったとさ。おしまい
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