めんどくさがりなにんぎょひめ

かみしばい
海の底に、人魚のお城がありました。


お城には海の王様と、大変めんどくさがりの人魚姫が住んでいました。

人魚姫はいつもゴロゴロしてばかり。「あ〜めんどくさい」が口癖です。

ある日、人魚姫は泳ぐことさえめんどくさくなりました。

そこでにんぎょひめは魔女のところへ行き、
「どうすれば泳がなくてよくなるかしら」と相談をしました。

すると魔女は怪しい薬を渡して言いました。
「この薬を飲めば、泳がなくてもよくなるよ」

早速、人魚姫は薬を飲みました。
そして、そのまま眠ってしまいました。

やがて人魚姫が目を覚ますと、そこは人間の住む陸。
尾ひれは消え、足が生えています。

「これは何なのかしら?とりあえずもう一回お昼寝…」

…と寝ているところを、王子様が通りかかり一目惚れ。
「なんて綺麗な人なんだ!」とお城に連れて帰りました。

人魚姫が目を覚ますと、そこはお城の中。
たくさんのお手伝いさんが、姫のお世話を焼いてくれます。

「お茶も出てくるし、身体も洗ってくれるし、ら〜くちん!ずっとここにいたいわ!」

そう思ったのもつかの間、怖い顔のお手伝いさんが出てきて言いました。
「立派な姫になるために、毎日姫修行をしていただきますよ」


その日から始まった姫修行。
踊り、お料理、裁縫と、毎日大忙しです。

人魚姫は「こんなに大変なら、海で泳いでいた方がよっぽどいいわ〜!!」
と慌てて海に帰っていきましたとさ。

おしまい