おもちのだっしゅつ

かみしばい

和菓子屋に、美味しそうなおもちがありました。


ある日、おもちは言いました。
「このまま人間に食べられるなんてかなわんわ!こんなところいますぐに脱出するわ」


そう言うとおもちは、仲間が止めるのも聞かずに、勢いよくケースから飛び出しました。


おもちが歩いていると、大きな川がありました。
「川を渡らんとな。しかしどうしたらええんやろか」


そこでおもちは、体をうーんと伸ばし、川の反対側へ着地。
あっという間に川を越えました。


おもちは進んでいきます。
すると、今にもスズメに食べられそうになっている大豆がいました。

「あんた、弱いものをいじめるのはやめとき!」
と、おもちは体についている粉でスズメを攻撃!
スズメは逃げていきました。


「姐さん、ありがとうございます!」と大豆。
「ええよ。あんた、私の体に入っとき」と、おもちは大豆を体で包みました。


おもちと大豆が進んでいくと、きれいな街並みが広がっています。


「ここでちょっと休憩しよか」と2人はお茶屋に入っていきました。


 お茶屋には、きれいな舞妓さんがいました。
「きれいな着物やなあ。私もあんな着物きてみたいわ」と、おもちは舞妓さんに釘付け。


「姐さん、そんなに近づいたら危ないですぜ!」
と止める大豆の言葉も聞かず、もっと着物を近くで見ようとしたその時…


舞子さんは「あら、美味しそうなおもち!」とおもちを掴みました。
おもちは、「あかん、食べんといてー! 」と叫びましたが、、、


パクッ!お腹をすかせた舞妓さんに、あっという間に食べられてしまいましたとさ。
「あら、このおもち、大豆が入っててほんま美味しいわあ〜」

おしまい

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