
昔々、とうふとおみそはケンカばかりしていました。

ある日、とうふがおみそにいいました。
「アナタはいつも黒くって、しかも変なにおい。おかげで、わたくしの白い身体まで汚れてしまいますわ」

すると、おみそは怒って言いました。
「なんだと!人間はこの匂いが好きなのだ。いくら色が白くても、おまえには味がないじゃないか」

とうふは言います。
「とんでもない!わたしは一緒に煮るものによって、いくらでも美味しくなれるのです。」

「なんだと!おまえなんか、包丁で切られたらおしまいじゃないかー!!」
「わたしは身体がくずれたって、おみそみたいに溶けませんからねー!」

「もう、かんべんできない!!」
おみそはくやしくなって、とうふに飛びかかろうとしました。

すると、コンニャクが飛び込んできました。
「つまらんことでけんかをするんじゃない!わしを 見てみろ。
色は黒いし身体は切られるし、おまけに味もない。それでも我慢してるんだぞ!」

「・・・なるほど」
「・・・たしかに、そのとおりね」

「それに、おまえたちはもともと大豆からできていて、いわば親戚同士。
わしなんか、だれも 親戚がいなくて、いつもひとりぼっちだ…」
シクシク…

すると、おみそはとうふにいいました。
「こんにゃくのいうとおりだ。親戚同士なかよくしないとな」
とうふもいいました。
「変なことを言ってごめんね。これからはコンニャクさんも一緒に仲良くしましょう。」

そこで、とうふとおみそとこんにゃくは一緒に
「お味噌汁」という、美味しい料理になったんだとさ。
おしまい
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