おむすびのだっしゅつ

かみしばい

あるお弁当屋さんに、美味しそうなおむすびがありました。


ある日、おむすびは言いました。
「このまま人間に食べられるなんて嫌だっぺ!こんなどご今すぐに脱出して、おら東京さいぐだ。」


そう言うとおむすびは、仲間が止めるのも聞かずに、勢いよくお弁当箱から飛び出しました。

おむすびが歩いていると、大きな階段がありました。
「これは登らねえと。だどもどうしたらいいっぺ…」

そこへおむすびはバラバラになり、ごはんつぶ一粒一粒で肩車をして階段を超えました。


おむすびは進んでいきます。すると、野良犬が匂いを嗅ぎつけてやってきました。

近づき、おむすびを食べようとします。


「おらをなめるんでねえ!」と、おむすびは梅干しの汁をピューっと吹きかけました。

野良犬はあまりの酸っぱさにびっくり!一目散に逃げていきました。

おむすびが進んでいくと、新幹線乗り場につきました。


「これに乗れば東京さいけるべ!」と、おむすびは新幹線に乗り込みました。


新幹線は大きい窓がたくさん。
初めて新幹線に乗ったおむすびは、外の景色を眺めてうっとり。
大きな手がすぐ後ろに迫っているのにも気づきません。

お兄さんが「あー腹減った!」とそこにあったおむすびを掴みました。
おむすびは、「お、おらを食うんでねえー!」と叫びましたが…


声は聞こえません。…パクッ!
お腹をすかせたお兄さんに、あっという間に食べられてしまいましたとさ。
「こりゃすっぱい梅干しおむすびだなー!」

おしまい

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