とうふとおみそのケンカ かみしばい2019.07.29 昔々、とうふとおみそはケンカばかりしていました。ある日、とうふがおみそにいいました。「アナタはいつも黒くって、しかも変なにおい。おかげで、わたくしの白い身体まで汚れてしまいますわ」 すると、おみそは怒って言いました。「なんだと!人間はこの匂いが好きなのだ。いくら色が白くても、おまえには味がないじゃないか」 とうふは言います。「とんでもない!わたしは一緒に煮るものによって、いくらでも美味しくなれるのです。」「なんだと!おまえなんか、包丁で切られたらおしまいじゃないかー!!」「わたしは身体がくずれたって、おみそみたいに溶けませんからねー!」「もう、かんべんできない!!」おみそはくやしくなって、とうふに飛びかかろうとしました。 すると、コンニャクが飛び込んできました。 「つまらんことでけんかをするんじゃない!わしを 見てみろ。色は黒いし身体は切られるし、おまけに味もない。それでも我慢してるんだぞ!」「・・・なるほど」「・・・たしかに、そのとおりね」「それに、おまえたちはもともと大豆からできていて、いわば親戚同士。わしなんか、だれも 親戚がいなくて、いつもひとりぼっちだ…」シクシク…すると、おみそはとうふにいいました。 「こんにゃくのいうとおりだ。親戚同士なかよくしないとな」とうふもいいました。 「変なことを言ってごめんね。これからはコンニャクさんも一緒に仲良くしましょう。」そこで、とうふとおみそとこんにゃくは一緒に「お味噌汁」という、美味しい料理になったんだとさ。おしまい
コメント